「ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間」〜伝説の始まり〜
category: 洋画
JUGEMテーマ:映画 
映画館(字幕) TV(吹き替え) ☆☆☆☆☆

ざっくり感想。
年末に三部作一気放映をしていたので録画して久し振りに見てみた。
これと「ホビット」は、全部映画館(字幕)で見ているので、実のところ吹き替えは違和感がある。特にイアン・マッケランのガンダルフの声が割と好きなので。いや吹き替えの皆さん上手くて、これはこれで好きなんだけど!(ギムリ、内海さんだったのか!)

最初、映画化の時に原作を買ったはいいが長すぎて読めず、映画を観てから再読したらイメージがつかめてさくさく進んだ、という覚えがある。映画はある意味ダイジェスト版だったが(完全版?は更にシーンが追加されているそうだ)、纏め方としては十分だったと思っている。

「ホビット」を見てから改めて見返すと、「おおっ」となるところが多い。
冒頭、ガンダルフとビルボの再会。「ホビット」の最後と全く同じ台詞にやっぱり感動する。
ビルボがフロドにミスリルの帷子をあげるのも、あれはあれだったのか、と思うし、ギムリの親戚バーリンは、彼だったのか!と愕然となるし。
そういう意味では「ホビット」を見てから見るべきかもしれないが、ベストは「指輪」→「ホビット」→「指輪」かもしれんね。

最初に見たときも思ったが、「旅の仲間」と言いつつ、この一作目で見事にバラバラになる面々。いや本当、最初は「え?」と思ったものだ。
この映画で知った役者も多いが、実は最近までボロミアがショーン・ビーンだとは知らなかったりして(だってこの一話目で消えるんだもん…)。でもボロミアの最期が泣けるよね。「我が王よ…」でもう、泣きそうになる。ああ、アラゴルンが王になって彼が傍にいたらなあと思わせる。
もっとも彼の死が、アラゴルンに王になる決意をさせたのだろうけど(それだけじゃないにせよ)。

フロドの覚悟は健気だし、それについていくサムの忠誠心もいい。てかサム可愛い。ガンダルフは一貫してカッコイイ。
何と言っても、旅の仲間が勢ぞろいした瞬間はいい。
フロドが「僕が行く!」と宣言した時のガンダルフの表情が特に素晴らしい。セリフ以上にあらゆることを語っている。

曲もいいし、ああもう、久しぶりに原作読み返したくなった。

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「お葬式」〜妙にリアルなコメディ?〜
category: 邦画
評価:
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ジェネオン エンタテインメント
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(2008-03-24)

JUGEMテーマ:映画
 
TV ☆☆☆☆☆

俳優の井上侘助と妻の雨宮千鶴子はCM撮影中に、千鶴子の父・真吉の訃報を聞く。千鶴子の母・きく江の希望もあり、実家のある三河ではなく、侘助の別荘兼二人の隠居所であった伊豆から葬式を出すことになり、侘助が喪主を務めることに。
何も分からないまま、侘助は初めての葬式に挑むのだった……。


大分前に録画したのを正月に(笑)鑑賞。
伊丹十三初監督作品ってとこに驚く。何でも実際に宮本信子の父親の葬式を経験し、シナリオを一週間で(!)書き上げたらしい。びっくりするわ。初監督作品でこれかよ。伊丹作品はそんなに見ていなかったが、機会があれば全部見ようと思う。

お葬式と言う暗くなりがちで、映画としてはタブーだったものを初めてきちんと、しかもコミカルに描いたというこの作品、取り敢えず役者が豪華。脇まで豪華(故人が多いが)。
しかも誰もかれもがイイ味を出していて、主役の山崎努が霞んでしまうほどだ。もちろん、山崎努にも見せ場つーか目立つシーンがあって、愛人と青カンしちゃうんだけどさ……。
エロはいいけど、生々しいのは好きじゃないので、そこんとこはドン引きました。まあ、好みの問題です。
千鶴子が知ってか知らずか、その間、丸太のブランコに乗ってるシーンがあるんだけども、彼女の顔が怖かった。終始、のんびりほんわかして夫を煽てて、うまくやってる夫婦に見えるんだけども、やっぱり知っててトボケてるのかなあ。それと丸太にはあれですか、やはり性的な意味があるのでしょうか…(小声)。

笠智衆がそれほど出番はないものの、一見して御前様、でも違う坊さんの役をやっていて面白い。敢えて狙ったに違いないが、いつもと同じ雰囲気だけにおかしさ倍増。
真吉の兄・正吉を大滝秀治が演じている。ちょっとボケてて余計なことに口を挟み、終わった話を蒸し返す――いるよ! こういう人、いるよ!(笑) しかも千鶴子の従兄弟からはやたら嫌われてる。その感じも分からないでもない。
葬儀屋の江戸家猫八がこれまたおかしな人で。
侘助のマネージャー、財津一郎演じる里見がえらくまともで。こういう人がいてくれると、いいよねえ。
通夜のシーンで、真吉のゲートボール仲間が出てきて、親戚はもう宴会状態なのに「雨宮さん!!」と号泣して、気まずくなったり。
あるある、ありそう、というシーンが盛りだくさんなんだけど、湿っぽくならないのは伊丹監督の手腕か、それとも日常を生真面目に演じるとコメディになるという好例か。

そんなわけで、ラストのきく江さんのスピーチ及びエンディングまでしっかり見られる映画でしたが、近い内に自分も親をこうして送るのかなあと思うと、その意味では笑えなくなったね……。

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「ホビット 決戦のゆくえ」〜泣いた!〜
category: 洋画
評価:
---
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
¥ 3,132
(2099-01-01)

JUGEMテーマ:映画
 
映画館 2D 字幕 ☆☆☆☆☆

前作のラスト(見たんだけど感想はUPしてないです…)、遂にエレボールに到着し、財宝を守る竜・スマウグと戦ったビルボとドワーフたち。
スマウグは怒りの矛先を人間たちへ向け、エスゴラスを焼き尽くす。
それを迎え撃つは、谷間の王族の末裔であるバルドだった……。


まだまだ上映中に付き、ネタバレ注意!!!


てかまさか、冒頭でスマウグがやられるとは思わなかったよ!!
決戦って、てっきりVSスマウグのことだと思ってたから……。
でもバルドと息子のバインが実に格好良かった。前半の見せ場。この時点では、キーリたちはエスゴラスに残っているんだが、どう考えてもドワーフたちのせいで町が滅びたはずなのに、よく責められなかったなと感心する。みんな呆けてたのだろうか?

その後はガンダルフ救出作戦。…あれ? 何で捕まってたっけとちょっと慌てて復習。あーサウロンを攻撃しに行ってたのか。で、捕まったと。
エルロンドやガラドリエル、サルマンが救出に来る(つかガラドリエル最強。すげえ)。
サルマンは昔は立派な人だったはずなので、今回の戦いと態度には安心した。嬉しい。…いやまさか、あれはスタントマンだよね? クリストファー・リーは92歳だし。

レゴラスは原作に出番ないくせに、目立ちすぎですカッコいいです。前作より、ちょっと性格が柔らかくなって愛に生きる人になってるし。森に戻らずどこに行ったのか、セリフでなんか言ってたけど地名と名前が分からんのでその内誰か解説プリーズ(探すけど)。
同じく原作に出番がない、というかオリジナルキャラであるタウリエル。こちらがこの映画の後どうなったのか、それも知りたいところ。

決戦で、一時的にドワーフとエルフが手を組んだシーンはちょっと鳥肌もの。
一方でトーリンは黄金に憑りつかれて、金の分け前を人間に与えないわ、従兄弟が戦ってるのに助けないわでかなり情けない状態。
それでも最初はビルボを友と言っていたのに、その彼が探し求めるアーケン石を持っていたと知り、更に疑心暗鬼に。
でも復活して戦いに臨むその姿もカッコいい。
全体的に戦闘シーンはどれも飽きさせないテンポの良さと、そこそこの短さなのでよかった。

トーリンが死にかけの時、
「よかった。友に見送られて旅立てる」
「どこにも行かせない」
から、
「行かないで」のマーティン・フリーマンの演技には泣かされた。ちょっと子供っぽいホビットの感じがよく出ている。「指輪〜」ですら泣かなかったのにな!

ビルボの回想で始まったこの映画、最後にフロドが出なかったのは残念だけど、ガンダルフが声だけでも出てくれて、これで「指輪物語」に繋がった。
近々BSでまた放映するようなので、ちょっと見てみようか。

似顔絵(そっくり!)を流すEDは、またちょっと泣けてきた。いい感じで思い出と涙腺を刺激してくれる。


プログラムがなかったもんで(欲しいんだけど!!)、人間関係がちょっとごちゃごちゃしていて分からないところも結構あるが、まあ何とかついていける。
取り敢えず、「ロード・オブ・ザ・リング」と前二作を見ている人はぜひ見るべき!

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「6才のボクが、大人になるまで。」〜存在そのものが奇跡に近い映画〜
category: 洋画
評価:
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JUGEMテーマ:映画
 
映画館 字幕 ☆☆☆☆★

実際に6才の男の子が18才の若者になるまでを撮り続けた作品。
ドキュメンタリーではなくフィクションだが、12年間、メインキャストとスタッフは変わらなかったらしい。
12年、である。ぷにぷにっとした手足の男の子がすらりとした少年に成長し、最後はなかなか男らしい感じになっていく。人は一気に成長するのではない。分かっているが、一年一年を何分かに分けて見るとそれが顕著で、本当に驚く。

物語自体は、それほど面白いとは言い難い。よくあると言えばよくある話で、主人公のメイソンは少々、幸せとは言い難い少年時代を送っている。
物心ついた頃には両親は離婚、シングルマザーの母はいい仕事に就こうと大学へ戻る(素晴らしいことだと思う)。そこで出会った教授と結婚、先方の子供たちとも仲良くなる。
が、この教授、アル中だった。最初は隠れて、次第に露骨になって暴力を振るうようになる。
ここで分からんのだが、その頃にはもう学校で教えてなかったのかね?

母親、姉のサマンサ、メイソンはその家を出て、母親はいい職に就く。で、また結婚。
どうもこの母親は、独立心旺盛なくせしてすぐ男とくっつくというか、見る目がないというか、最終的にはぐるっと一周して最初の夫(イーサン・ホーク)が一番いい男だったというのが笑えてくる。

上記の如く、物語自体は取り立てて特別なことはない。
6才のメイソンの布団がDBだったり、ポスター貼ってあったり、アニメ見てたりして「おお!」となったり、何度かハリー・ポッターが出てきたり、オバマ大統領が出てきたりと、時代時代を感じさせてくれる。
男の子は少年になり、恋をしたり、ちょっと不良ぶってみたり、将来を悩んだりと成長していく。(金髪に近い髪が最終的に焦げ茶になるんだもんなー)

母親は母親で、三人の夫と結婚・離婚し(三人目の旦那とはよく話し合うべきだったと思う。悪い人ではなかった)、子育てから解放される! と言いながらも寂しそうで、実は見終わって真っ先に思い浮かべたのが「オオカミこどもの雨と雪」だったりする。何となく比較してしまった。
母親はいい仕事(教職)に就いたけど、それだけかと思ったら、ラスト近くに意外なおまけがあって、実にいいシーンだった。多分あれは、彼女のほんの気紛れから出た忠告だったのだろうけど。それがいい結果を結んだ、その事実に微笑みたくなる。

ただこの映画の凄いところは、「物語」にはない。
彼らの成長を12年撮り続けた、そのこと自体が実に奇跡的で何だか感動してしまうのである。監督の人望にというべきか。
いやもう、出資した会社は凄いよ! 最後まで出たキャストも凄いよ!(サマンサ役の、監督の娘は最後は渋っていたようだが)
その意味で奇跡的で、見ておいていい映画だと思う。

「物語」としては、離婚した二番目の夫の子供たちがどうなったのか、非常に気になるところではあるのだけれど……。

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「ジャージー・ボーイズ」〜目当てはイーストウッドのカメオ出演!〜
category: 洋画
評価:
Original Soundtrack
Rhino
¥ 1,164
(2014-07-14)

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映画館 字幕 ☆☆☆☆★

フォー・シーズンズなんて全然知らなくて、
ミュージカルは嫌いって程じゃないけど大好きでもなくて(上手い歌を聴くのは好き)、
出ている役者さんもほとんど知らなくて、
そういえばトニー賞取ったんだっけ、その時も興味なかったけどという状態で、
ただイーストウッドがカメオ出演することだけ知ってて、
彼が監督だから観に行った、という程度。

なんですが。
面白かったですよ!!
パンフはサントラのジャケットと同じ写真が使われておりますが、この画は本編最後に出てくるのでそこまで待つがよろし。
フォー・シーズンズなんて全然知らなかったのですが、聴けば「ああ! 覚えがあるわ!」という曲がちらほら。
何でも1960年代当時は品行方正で売っていたメンバーなんですが、イタリア系でマフィアが周囲にごろごろしている土地で生まれ育ち、刑務所を行ったり来たりしているメンバーもいたりして。
よく騙しきったなと感心。まあ、今と違ってネットも発達していなかったからでしょうが。

役者さんは(特に主人公たち)知らない人たちばっかなのですが、舞台のキャストが何人か。
四人の内、主人公がフランキー・ヴァリ。この方はまたご存命で、今年の一月にも来日してたとか。知らんかった。
演じるジョン・ロイド・ヤングは部隊のオリジナルキャストなんだけども、正直、登場当初の16歳はキツイ。腹出てるし。年食っていって、フォー・シーズンズがとかんと売れたあたりで、ようやくしっくりくる感じ。
……ところで劇中のファルセット・ヴォイスは当然、自分の声だよね?
トミー・デヴィートはチンピラ。本当にチンピラ。俺が拾ってやった、という彼の観客への説明から映画は始まる(時々、登場人物がこっちに語りかけてくるのでビビッた)。
とはいえ、彼がいなければフォー・シーズンズはそもそも始まりすらしなかった。フランキー・ヴァリは世の中に出ていたかも分からないだろう。
ボブ・ゴーディオは最年少。何でも15歳で加入したらしい。若くて自分の才能に自信があり(事実、彼の作った歌でヒットを飛ばしている)、イケイケなところもあるが、フランキーだけは信頼し、ずっと傍で支えていたようだ。
ニック・マッシは自分をリンゴ・スターに譬えている。リンゴはそれで満足していたけど、ニックは嫌だったと。

映画は時々、時代を行ったり来たりするのでそこが少々ややこしいが、トミーとニックがチンピラでフランキーが理容師見習いのところから始まる。マフィアのボスやトミーもニックもフランキーを可愛がっていて、強盗のときも庇い、自分が刑務所に入っている間に歌の実力を磨けよ、と言い残していく。
多分、この辺が一番、フランキーにとってトミーに関するいい思い出なんだろう。
後にトミーの借金が発覚。65万ドルをフランキーはせっせと返すんだが、本当にそこがもう、何というか。トミーのことを憎いが、恩にも感じていて、憎み切れないというところが……。
とはいえ、フランキーも聖人君子ではない。過ちを犯し、そして大事なものを失う。
それでもフランキーは周囲の支えもあって、前に進んでいく。

隆盛を極めていたフォー・シーズンズのメンバー脱退は、世間にどう受け止められたのだろうか? 入れ替わりもあって、バンド自体は存続していたみたいだが、こうなるともう、別物だし。
一つのグループの隆盛は観ていて面白いし、何より、ラスト誰も死なずに再登場するのが嬉しい。その後の彼らの語りもいいので、イーストウッドファンか音楽ファンはぜひ観てもらいたい一本。


さて、四人が宿代を踏み倒して捕まるシーンがあるんだが、そこの保安官だか警官だかが「コールドケース」のヴェラだったよ!あの太った人!!
んで、肝心のイーストウッドカメオ出演。見逃してはなるまいと目を皿のようにして見張っていたんだが、……見逃すはずもなかった(笑)分かりやすい。山田康雄の声が脳内で再生されたわ!!
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「拝啓 天皇陛下様」〜こんな頃もあったね〜
category: 邦画
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TV ☆☆☆☆★

昭和六年、岡山の歩兵第10連隊に入隊した棟本博は、同じ中隊に配属された山田正助(ヤマショウ)と出会う。漢字がほとんど読めず、書けるのもカタカナだけというヤマショウと棟本はもう一人の鶴西とも仲良くなる。
キツイ軍隊生活も、三度の飯が食え、風呂にも入れるためヤマショウにとっては天国だという。
棟本とヤマショウの二十年近い歳月に渡る物語。


大分前に録画したのを視聴。
ヤマショウは本当にアホで馬鹿で純粋で、いや純粋な馬鹿って始末に負えないけど、渥美清はこういう役をやらせたら天下一である。多分、寅さんの原型なんじゃなかろうか。
何が馬鹿って、まあ漢字の読み書きが出来ないのはさておき、それを教えてくれた部下(というか、単に後輩なだけだが、序列というものがある)に礼だと言ってパクってきた卵を渡そうとして拒否され逆ギレし、戦後、棟さんにこれまた盗んできた鶏をあげたり、お前学べよと。多分、彼の中では軍隊で学んだことが一番正しいことなんだろう。だから平気で「徴発じゃ」と言って、他人様の鶏を盗んでくる。だって自分は軍人だったんだから。お国のために戦う軍人が徴発するのは仕方なくてやむを得なくて、正しいことなのだから。
でも悪意は全くない。彼は棟さんと奥さんにご馳走したかっただけ。

軍隊の半分は戦争前の話なので、どこかほのぼの。
入隊当初の先輩は、ヤマショウたちをいびるが実は弱っちい。辞める段になって、やべえお礼参りされるというので、ヤマショウに親切にする。ヤマショウは情にほだされてしまう。この先輩上官が西村晃だったと知って、驚いた。いや細かったけどね、確かに! でもイメージが! いや、駄目な役とか悪役多いけど、若い頃は。でも全然、「黄門様だ!」と欠片も思わなかった。
二年兵になると、棟さんもヤマショウも同じように威張り始める。人間ってしょうもないな、と思う。
問題起こしたヤマショウを、叱るわけでなく、ただひたすら懲罰房で座って付き合う中隊長に加藤嘉。「砂の器」のあのお父さんだ。本当にこの中隊長がいい人で、ヤマショウに字を教えるべく、代用教員だった垣内二等兵をつけ(藤山寛美。まともな役でびっくりする)、満期除隊の際には羽織袴をプレゼントし、再就職先まで世話してくれる。
平和な時代には、こんな面倒見のいい上官いたんだよ!

支那事変で再招集された棟本はヤマショウと鶴西に再会。ヤマショウが教育隊やってるけど大丈夫かこれと思ったら、案の定、号令かけ忘れて壁にぶつかる新兵たち。
たださすがに呑気な世界ばかり描けないと思ったのか、棟本の上官が、更に上からのいじめに遭って精神を病む様子が。
南京が陥落し、これで戦争は終わりと思った棟本たちと異なり、ヤマショウは自分は軍隊に残りたいと考え、事もあろうに天皇陛下に手紙を書くことにする。不敬罪で殺されるわっ、と棟本が慌てて破り捨てるんだが。
結局、戦争は続くんだけど。

負傷で除隊した二人だが、棟本は従軍作家として、ヤマショウも兵隊として再び戦地へ。
あの親切な中隊長の墓が出てくるときは、ちょっとジンとくるというか「ああいい人だったのになー」ともったいなく思う。ただ、彼が頭やられて「天皇陛下万歳」を三度言って死んだというのは、やっぱり兵士を鼓舞するための話なんだろか。普通は信じないだろうけど、ヤマショウは信じてたし。

戦後、何度目かの再会を果たす二人。鶴西がどうなったかは全然出てこない。いや垣内は仕方ないけど、鶴西ぐらいは教えてほしいんだけど! 出てこないってのは死んだのかね。
この戦後の間にも、別れと再会を繰り返す二人はまるで「君の名は」。
そして美人な戦争未亡人に惚れて、一応、きちんと就職するヤマショウは、これまた寅さんっぽい。就職先が自殺者の死体拾いってところも、それっぽい。
華厳の滝って、自殺の名所だったんだなー。
死体を拾う様子を語るヤマショウ。気持ち悪い話のはずが、渥美清はうまい(笑) ここにも「寅のアリア」の片鱗が。
結局、結婚できないんだけど。寅さんと同じで自分だけがその気になってたっていうね。

でも最終的には結婚相手も見つかって、さあこれから――二日後には式ですよ、というところで。

「拝啓天皇陛下様 陛下よあなたの最後のひとりの赤子がこの夜戦死をいたしました」

山本カントクによれば、赤子(あかごではない)の元々の意味は、「あかご」と同じで純粋無垢という意味らしい。ヤマショウがそんな人間だった、という意味もあるのではないかと。
馬鹿だけど、幸せになったってよかったと思うんだ。
死に方まで馬鹿だったけど、そんな風に死ななくてもよかったと思うんだ。
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